顧客囲い込み戦略のリスク

携帯電話&モバイル業界〜2005年マイトピックその1

しかし問題は、携帯電話の契約にコンテンツや金融サービスを「抱き合わせる」ことにより、消費者が携帯電話の契約先を選ぶ自由も同時に制約を受けるということです。
着うたフルを使ったユーザーは、もはやau端末以外に契約変更すれば全てのダウンロードデータを失いますし、ドコモの「iD」で、ドコモ自身のクレジットカードを作ったユーザーは、キャリア変更をしたが最後、電話番号こそ保ててもクレジットカード契約におけるサービスメリットを(さらには料金優遇策も?)失ってしまうのです。

ユーザーから見れば、「たかが携帯電話の契約変更」ぐらいで、音楽リスナーとしてのライフスタイルや生活の基盤であるクレジットカードの特典まで失うというのは、誰が何と言おうと明らかに「やりすぎ」です。

 企業の基本的な戦略の一つに「顧客囲い込み」があります。企業からすれば顧客には長く顧客でいて欲しいし、顧客満足度を高める意味においての「囲い込み」は「アリ」と思います。ただ、今回トラックバックさせていただいたブログが指摘されている点は重要です。
携帯電話の例で、通信以外のサービスをどんどん拡充していくことで他社との差別化を進めるのはいいのですが、それがクレジットカードや音楽を聴くことにまで携帯電話に振り回されるようでは顧客からみたら「リスク」と感じてしまうのではないでしょうか?
顧客も警戒してサービスをどんどん使うわけにはいかないでしょう。
ソニーも音楽ファイルや製品の囲い込みが度が過ぎてかえって使いにくくしているケースもあるので「囲い込み戦略」も行き過ぎればマイナスですね