成田高校、初戦突破


小松島000000000-0
成 田00000201*-3

エース唐川、5安打完封したようです。
掲示板の書き込みを見る限り、昨年秋よりも成長しているとの事

次の試合楽しみです

他の試合結果
智弁和歌山4−0伊万里
神港学園 4−0南陽工

センバツ:成田・唐川が小松島を5安打完封 第2試合
○成田3−0小松島

 ともに堅い守備で無失策。引き締まった投手戦となったが、成田が六回2死二塁から荒木の左前打で先制し、続く斎藤の中前打で2点目。八回にも加点した。唐川は球威、制球ともよく、5安打完封。小松島は九回に初めて走者を2人ためたが、決定打を欠いた。三つの犠打失敗も痛かった。 

 ▽成田・尾島治信監督 相手の守備が堅く、点を取れるのか心配したが、唐川の要所を締める投球がチームに安心感を与えた。次の神港学園戦も守り抜きたい。

 ▽小松島・森影浩章監督 よく守ったが、攻撃でリズムを作れなかった。打撃には自信を持っていたが、相手投手は球威、制球ともに一枚上手だった。

 ◇失敗を大舞台で生かした影の主役

 また、荒木の打球が三遊間を抜けた。成田の六回2死二塁の攻撃。三塁コーチの板橋に迷いはない。「今度はもらった」と、右腕をグルグル回す。きわどいタイミングだったが、俊足の水津がうまく回り込んだ。

 待望の先制点を奪った成田は、斎藤がタイムリーで続く。息詰まる接戦の中で流れを呼び込んだのは、失敗を恐れぬ三塁コーチャーの勇気と決断力。「2死では思い切り良く」との信念を貫き通した。

 一回2死二塁。荒木の浅い左前打で、富沢を本塁へ突っ込ませた。結果は暴走気味のアウト。しかし、板橋は「迷いが出ることはなかった」と言う。尾島監督も「走者のリードが小さいぞ」とだけ板橋に伝えた。

 忘れられないミスがあってこその、好判断だった。昨秋の関東大会決勝。同点の二回2死二塁で川村が右前打を放ったが、迷った末に走者を三塁にストップさせた。これを機に、試合はこう着状態となってしまった。

 結局サヨナラ勝ちを収めたが、石川部長は「試合後に板橋がずっと泣いていた」と覚えている。「自分が流れを止めなかったら、苦戦しなかった」という悔し涙だった。それ以来、教えられたことをノートにメモするようになった。びっしり書き込まれた心得を、試合前には必ず読み返す。

 エースが抑え、主砲が打った初陣成田の会心の試合の裏には、失敗を大舞台で生かした影の主役がいた。

 ◇技巧派に転身、「ストライクどんどん入る」 小松島・安達

 不思議な感覚だった。「ストライクがどんどん入る」。半年前、制球に苦しんだことがうそのようだ。電光掲示板にゼロを並べるうちに、2日前に風邪で寝込んだ不安も一掃された。

 昨秋、上手投げの速球派から、腕をやや下げて投げる技巧派に転身。変化球でコースを突く投球で四国大会を制した。しかし、「もっと思うようにストライクを取れるようになりたい」と、冬場はひたすら走りこんだ。大舞台で制球に自信を持ち始めた時、落とし穴が待っていた。

 六回2死二塁。成田の中軸、荒木と斎藤にあっさり連続適時打を許した。「投げ急いだ。あの時必要だったのは、ボール球で外すことだった」。追い続けた理想の投球には、まだ先があった。

 降板後の八回、守備についた中堅からダイレクト返球で走者を本塁封殺し、意地を見せた「1球」。「もう点はやりたくないと、必死で投げました」。負けず嫌いな性格は、一層の成長をもたらしてくれるはずだ。

 ○…182センチの長身右腕がマウンドでさらに大きく輝いた。115球を投げ、被安打5、奪三振10、与死球1。成田の唐川が堂々たる完封劇を演じた。4連続三振を奪う最高の立ち上がり。九回でも142キロの速球を投げ込み、スタミナも申し分なかった。「終盤になるほど、球を低めに集められた」と手応えを感じた様子。尾島監督も「普段はスロースターターだけど、こちらが心配するほど飛ばしていた。満点」とたたえた。